内分泌代謝内科ENDOCRINOLOGY AND METABOLISM

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科長メッセージ

浜松医科大学第2内科・内分泌科のホームページへようこそ

内分泌系は電解質やエネルギー代謝、血糖など生命維持の根幹を制御しています。その恒常性の破綻をホルモンを手がかりにして読み解くのが内分泌・代謝疾患の診療です。先代の中村浩淑名誉教授が「内分泌は難しそうと感じるのは、教え方が悪いか勉強の仕方が悪いかのどちらか」と話されていました。同感です。「一般医として一生出会わない珍しい疾患がたくさんで勉強したくない」と思われるかもしれません。しかし、その種類が非常に多いのです。実はどれかに出くわすことは珍しいことではありません。そんな時、「何となく流す」で終わってしまうのでなく、ザックリと論理的な診断にたどりつける醍醐味が内分泌・代謝にはあります。もちろん糖尿病や甲状腺の疾患は大変に多く、またステロイド治療を背景とする下垂体-副腎系障害は科を超えて認識されるべきものです。

当科では糖尿病、下垂体・副腎、甲状腺・副甲状腺とそれぞれに経験の多い専門医がそろっています。全国的にも際立って豊富な症例があり、入院した患者さんには必ず上級医が指導にあっています。静岡県は人口の割に医科大学は1つしかなく、特に内分泌・代謝専門医のニーズには事欠きません。常勤医として赴任する際は原則として先任の先輩とペアとするように務めています。当科はもともと女性医師も多く、大勢が現役として静岡県の基幹病院で活躍しています。内分泌・代謝疾患は考え方が大切で、年齢を重ねても続けられ、地域医療・開業にも向いています。いつまでも勉強すること、それをリアルタイムに実臨床に生かしていくことが可能です。

研究、特に分子生物学的な思考になじむのも内分泌・代謝の特徴です。インスリンはその発見のみならず、アミノ酸配列決定法、DNA配列決定法の最初の題材に選ばれ、各々ノーベル賞となりました。ステロイドホルモン、視床下部ホルモン、甲状腺ホルモン、セカンドメッセンジャー(cAMP)の発見もまたしかりです。私事ですが、「学位を取ってさっさと故郷に帰ろう」と軽い気持ちで門をたたいたのが前述の中村教授の甲状腺ホルモン受容体の研究でした。面白さに半年でハマってしまって30年になります。その間いろいろな患者さんと接したり、勉強させてもらったりで、今なお奥深さに身震いしています。永い医学の歴史の中で本当に生き残るのは人の役に立った研究だけです。世界に羽ばたくことはもちろん、永く人の心に留まる何かを皆さんと一緒に残すことが目標です。皆さんの医局見学を当科一同、お待ちしています。

内分泌代謝内科の特色

年間690

甲状腺エコーの施行件数(2018年度)

年間159

甲状腺結節に対する穿刺吸引細胞診(FNAC)の施行件数(2018年度)

20

当科で遺伝子解析を行い、甲状腺ホルモン受容体TRβの遺伝子変異を同定した甲状腺ホルモン不応症の家系数

年間11症例

甲状腺眼症(バセドウ病悪性眼球突出症)に対するステロイドパルス療法施行症例数(2018年度)。眼科、放射線科と連携して治療を行っています。

年間94

2018年度トータルのCGM(Continuous Glucose Monitoring: 持続血糖モニタリング)検査実施件数

年間31症例

放射線科と協力し、副腎静脈サンプリングによる原発性アルドステロン症の病型診断を年間30例以上行っています(2018年度:31症例)。

年間21症例

原発性アルドステロン症を除く、クッシング症候群(ACTH依存性/非依存性、 サブクリニカル含める)、褐色細胞腫、先端巨大症、プロラクチノーマ、TSH産生下垂体腺腫などの多岐にわたる機能性内分泌腫瘍についても、精査加療を数多く行っています(2018年度 入院症例:計21症例)。

関連病院

病院名 診療科名 代表者
磐田市立総合病院 糖尿病内分泌内科 飯野 和美
浜松医療センター 内分泌・代謝内科 長山 浩士
JA静岡厚生連 遠州病院 内分泌内科 後藤 良重、鈴木 究子
聖隷浜松病院 内分泌内科 柏原 裕美子
聖隷三方原病院 内分泌内科 岩淵 昌康
浜松労災病院 内分泌代謝内科 大石 裕子
市立島田市民病院 糖尿病・内分泌内科 大石 敏弘
藤枝市立総合病院 糖尿病・内分泌内科 森田 浩
静岡赤十字病院 糖尿病・内分泌代謝内科 村上 雅子
独立行政法人国立病院機構 天竜病院 内分泌・代謝内科 永福 未希子、井本 正樹